英会話で英語が口から出てこない?そんなあなたにおすすめの方法

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Q. 32歳、会社員、女性です。友達と海外旅行に行く機会も多く、英会話の必要性を感じています。できれば英会話がうまくなりたいと思って英会話教室にも通いましたが、あまり上達しませんでした。ネイティブ講師の言うことはある程度わかるのですが、話すとなると何から言ってよいのかわからず、沈黙してしまいます。どうすれば話せるようになりますか?

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A. あなたのように、相手の言うことはある程度聞き取れるのだけど、こちらが話したいことが口から出てこないという話はよく耳にします。でもそれって本当なのでしょうか。私には不思議でならないのです。

相手の話が聞き取れているのであれば、それに関連する簡単な単語を並べていくだけでも、相手は話の流れを読み取ってくれるはずです。これは逆に、あなたが日本語の未熟な外国人と日本語で会話をする状況を思い浮かべれば、同じことだとわかるでしょう。

もしかしてですが、あなたはわかったふりをしていたり、一部の単語が聞き取れるだけで、大部分を推測しているだけなのではありませんか?残念ながら、それはリスニングができているとは言えないのです。

■会話の原理原則

私が英会話を始めたころに教わった大事な原理原則があります。それは「自分が口から発した言語の範囲でしか、相手の話す言葉は理解できない」というものです。自分がその言葉を単なる音でなく、ある意味をもったものとして理解して口から発しているからこそ、相手の話す言葉も理解できるというわけですね。

■発声訓練が必要

この原理原則を踏まえたうえで私が指摘したいのは、英会話を始める前に、英語の音を聞き分けて、それを発声する訓練が必要だということです。日本語の構造と英語の構造はかなり違うのですが、それが最も典型的に現れるのが音なのです。

ところが、あなたはこれまでこの訓練にあまり時間を割かなかったのではないでしょうか?それはあなたが悪いわけではなく、学校で最初にわずかな時間を割くだけで、すぐに文法や英文読解・英作文に走ってしまうという、英語教育の構造的な問題でもあります。

そのため、英語を理解するのに、いつのまにかほぼすべてを日本語の音に置き換えて理解しようとするのです。それで英会話に取り組んだところで、すでに長年日本語の音で英語をとらえる癖が身についてしまっているものですから、なんとか話そうと努力しても、ネイティブには全く通じない。当然、相手の言ってることも理解できません。

だからこそ日本人がまずやっておくべきことは、英語独特の発音(子音とか母音等)をマスターし、さらに英語に定められている独特の発音のルールを理解しておく必要があるのです。

たとえば英語には独特の抑揚リズムがあり、日本人には非常に大げさな話し方に聞こえますが、日本語は逆に抑揚は少なくて淡々と話されます。ほかにはphをfと発音するとか、前後の単語をくっつけて省略して発音するリエゾン、あるいはbookのように同じアルファベットが単語の中で続いた場合は一つの音は発音しないとか、こういう例がいくつもあります。ちゃんとした音と法則に関する勉強を前もってやっておかないと、上達は望めないばかりか、後でやり直しするにしても、何倍もの時間と労力が必要になってきます。

だからこそ、早く英語を話したいという気持ちやあせりは理解できますけど、ジャンプアップしたいのなら、まずこの部分をしっかり訓練する必要があるのです。

■音の訓練法

英語の音の訓練に関しては、フォニックスという非常に有名な学習法があります。アメリカやイギリスの子供たちも、母国語を習い始める時には、まずこれでしっかり訓練をしてから次の段階に進むそうです。だからあなたにも、ぜひこのフォニックスでの取り組みをお勧めしたいのですが、別にわざわざ高い教材を買わなくても、今はネットで無料で提供されているものがあります。

たとえばこれ。http://www.starfall.com/

小さな子供を対象に作られたフォニックス教材ですけど、日本人なら復習もかねて、まずここからスタートされたらいかがでしょうか。これを最後までしっかり終わらせることができたら、きっとその後の上達が見込めることでしょう。

私自身に関しては、フォニックスは利用しませんでしたが(当時は存在さえ知らなかったので)、自費でフィリピンの語学学校に留学していた時に、一人の講師から毎日1時間、発音専門の教材を使って徹底的に訓練を受けました。あの訓練がなかったら、英会話は今でも初級レベルのままだったかもしれません。今のように相手のしゃべっていることがどうにか理解できるようになったのは、あの退屈で忍耐を強いられた発音の訓練をしたおかげだと思っています。

もう一度この原理原則を再確認してください。

「人間は自分が口から発した言語の範囲でしか、相手の話す言葉は理解できない。」

 英語を読めることはできても聴くことや話すことができないのは、別のもっと基本的な訓練ができていないからです。原点に返って、子供に使用するそんな簡単な教材なんか今さらと軽んぜず、ちゃんと英語学習の王道をたどって、上達への道を進んでいきましょう。